こんにちはロウシです。
今回はついに西洋哲学史を解説していきます!!
西洋の哲学史はいったいどのようなものなのでしょうか?
今回は主にソクラテス以前の哲学を丁寧にわかりやすく解説していきます。
ただしここに書いてある情報はざっくりとした概要です。
専門的な話(パルメニデスの詳しい話など)は載せていません。
あくまで西洋哲学史のソクラテス以前の哲学を俯瞰するような形で書いています。
私の推測も入っています。
今回の記事を読んででわかることはこういったことです。
- 古代ギリシャの哲学者について
- 西洋哲学史について
- タレスなどについて
- 自然哲学について
この記事の要点が知りたい方は目次からまとめへ飛んでください
哲学の始まり
ではまず最初に哲学の始まりについて見ていきましょう。
哲学というか学問は古代ギリシャで始まりました。
ではなぜ学問がこの古代ギリシャという時代で始まったのでしょうか?
答えは閑暇(スコレー)です。
ちなみに「閑暇」の読み方は「かんか」です。
話を戻すと、この時代人々は奴隷に家事を任せるようになりました。
そうすることで物事について思考するゆとりが生まれました。
これが哲学(学問)のはじまりです。
つまり暇な時間が増えたから物を考えるようになってそれが発展して学問になりました。
皆さんも暇なとき自分が生きていて意味があるだろうかと考えると思います。
それと同じような感覚で学問が発展しました。
まず最初に哲学者たちは従来の神話(ミュトス)で物事を考えるのではなく、論理(ロゴス)で物事を考えるようにしました。
そして哲学者たちは万物の根源(アルケー)を求めるようになっていきます。
これが人類最初の哲学です。
それでは各哲学者の考えを見ていきましょう。
タレス
タレスはソクラテス以前の哲学者の一人です。
彼は記録が残る最古の哲学者です。
またギリシア七賢人のうちの一人です。
ミレトス学派の始祖でもあります。
彼は万物の根源(アルケー)を「水」だとしました。
なぜなら水はいろいろな形態に変化するし生物も水から出来ているからです。
これのどこがすごいの?と思った方がいると思うので説明しておきます。
タレスの哲学的な意義はおそらく世界で初めて合理的に思考して答えを導いたからです。
それ以前は神話から根源などを見つけていました。
しかしタレスは神話(ミュトス)から脱却して初めて論理(ロゴス)を使って答えを導きました。
これがタレスのすごいところだと思います。
アナクシマンドロス
アナクシマンドロスはソクラテス以前の哲学者です。
彼はタレスの弟子と言われています。
タレスとともにミレトス学派の代表と言われています。
彼は万物の根源(アルケー)を「無限定なもの」としました。
彼の概念は理解が難しいです。
一説にはタレスの「水」がアルケーならば「火」という反対の概念が説明できません。
だから何にも依存していない存在を求めたのだと言われています。
「無限定なもの」というのは量的に無限で質的に無限定な物です。
つまり、「なにでもないもの」です。
「なにでもないもの」が根源ならそこから水ができても反対の火が出来ても矛盾が起きません。
これが彼の考えです。
アナクシマンドロスの功績はタレスがアルケーを自然界から見つけようとしたのに対し、
彼は概念を用いてその矛盾を解決しました。
これが彼の哲学的な功績です。
アナクシメネス
アナクシメネスはソクラテス以前の哲学者です。
彼については謎が多く、また彼について述べている本もディオゲネス・ラエルティオスの「ギリシャ哲学者列伝」ぐらいしかありません。
ただ分かっているのはアナクシマンドロスの弟子だったということです。
彼は万物の根源(アルケー)を「空気」だと説きました。
なぜ空気と説いたのでしょうか?
それはアナクシマンドロスの考えに致命的な欠陥があったからです。
もし仮にアルケーが「無限定なもの」だとすればそれは概念だから検証のしようがない。
つまりアナクシマンドロスの考えかたは検証のしようがないのです。
ようは「無限定なもの」というのは「何もわからない」と言っているのと同じだと言うことです。
ですが、タレスのように単一的な物をアルケーと考えれば矛盾が生じてしまう。
だから彼はアルケーを空気だとしたのです。
彼は空気の密度によっていろいろな物になるといいました。
例えば、空気の密度がものすごく小さければ火になるし、空気の密度が大きければ岩や石になる。
このように彼の哲学的功績は、万物の根源を検証可能な次元に戻したことと、合理的に矛盾をなくそうと試みたことです。
ヘラクレイトス
ヘラクレイトスはソクラテス以前の哲学者です。
彼はイオニア地方の哲学者でした。
彼は暗い人で当時の人々から嫌われていたそうです。
ショーペンハウアーやニーチェ、ハイデガーなどから人気があった哲学者です。
彼が考えた万物の根源(アルケー)は「火」です。
なぜ火がアルケーかを理解するには彼の「万物流転説」(パンタレイ)を知る必要があります。
「万物流転説」は「世界は常に変化していて、一度として同じ瞬間は来ない、変化が世界を常に作っている」という考え方です。
彼はこの考え方について有名な言葉を残しています。
それは、「同じ川に二度足を入れることはできない」です。
つまり常に変化している世界だから、川も一秒後には厳密には違う川になっていて二度と同じ川に足を入れることはできないということです。
だから彼は万物の根源を火だと言いました。
つまり、火は常に生成変化している、だからこそアルケーたり得ると考えたわけです。
ピュタゴラス
ピュタゴラスはソクラテス以前の哲学者です。
彼はピタゴラスの定理を発見した人間です。
彼はピュタゴラス教団という宗教のトップでした。
ピュタゴラス教団は数を信仰しています。
ピュタゴラスはかなり頭のおかしい人です。
なぜなら自分の教団の一員が無理数を発見したさい、その発見した人を死刑にしたからです。
彼は万物の根源(アルケー)を「数」だとしました。
あらゆるものは数学的な法則に基づいて動いている。
そう考えたわけです。
パルメニデス
パルメニデスはソクラテス以前の哲学者です。
彼は、エレア派の始祖です。
また彼の思想はかなり難解です。
彼は、論理の申し子と呼ばれています。
彼はイオニア学派(タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネス、ヘラクレイトス)に真っ向から対立しました。
なぜなら、彼ら(イオニア学派)の理論は感覚に依存しすぎているからです。
つまり、万物の根源を感覚に依存して求めることはナンセンスだと考えたわけです。
彼は万物の根源を求めるには感覚に依存していないどこまでも論理的な思考が必要と考えました。
彼はヘラクレイトスの「万物流転説」に対して「ト・エオン(ただあるもの)」という事をかんがえました。
「あるものはあるし、ないものはない」こういう考え方です。
何もないところから突然何かができたり、なくなったりすることはあり得ない。
だから、万物の生成変化を否定したのです。
エンペドクレス
エンペドクレスはソクラテス以前の哲学者です。
彼はヘラクレイトスとパルメニデスの考えを融合させました。
彼は万物の根源(アルケー)は「水・空気・火・土」の四元素だと考えました。
これの考え方がなぜヘラクレイトスとパルメニデスの考えを融合させてたことになるのでしょうか?
これは至って単純です。
パルメニデスの言う「ト・エオン(ただあるもの)」が四元素なのです。
この四元素はなくなることは絶対にない。
この四元素がくっついたり、離れたりするから万物は変化しているそう考えたわけです。
つまり万物の根源は「ト・エオン(ただあるもの)」(つまり四元素)であり、それはなくなったりすることはない。
そしてそれらの物が分離や結合をくり返すことで世界は変化し、できているそういうわけです。
アナクサゴラス
アナクサゴラスはソクラテス以前の哲学者です。
また彼は、アテナイへ初めて哲学を持ち込んだ人物でもあります。
私はアナクサゴラスの考えがソクラテス以前の哲学者のなかで一番難しいと思います。
彼は万物の根源にはそのほかの存在の全ての部分が含まれていると考えました。
その部分の割合(ヌース)が変化しているから万物は存在しているそういう考え方です。
こういう考えかたの事を「種子(スペルマタ)」と言ったりします。
正直私自身、彼の考え方をしっかり理解できていません。
デモクリトス
デモクリトスはソクラテス以前最後の哲学者です。
そして彼は万物の根源(アルケー)探しに終止符を打ちました。
彼は文章がやたら難しくて暗い人と揶揄されたヘラクレイトスとは対照的に快活な人間だったため笑う哲学者と呼ばれていたりします。
彼はソクラテスと同年代の人間なのですが、アルケー探しに終止符を打った事からソクラテス以前の哲学者になっています。
彼は控えめに言っても大天才です。
彼は師匠が提唱した原子論(アトミズム)を完成させました。
彼は万物の根源(アルケー)は「原子」であると説きました。
つまり彼は、不滅で分割不可能な原子(アトム)が空虚(ケノン)を動き回り集合と離散をくり返すことで世界のあらゆる現象が成り立っていると考えました。
また彼は神を否定します。
「すべての現象は原子の結合と離散なのだからそこに神なんて関係ないよね」と考えたわけです。
彼は神は人間が理解不能なものに遭遇したときにそれを理解しようとした結果生まれる物だと考えました。
この考えはめちゃくちゃすごいと思います。
まとめ
- 哲学の始まりは万物の根源探し
- タレスは「水」をアルケーとした
- アナクシマンドロスはアルケーを「無限定なもの」とした
- アナクシメネスはアルケーを「空気」とした
- ヘラクレイトスはアルケーを「火」とした
- ピュタゴラスはアルケーを「数」とした
- パルメニデスは「ト・エオン(ただあるもの)」を提唱した
- エンペドクレスはアルケーを「水・空気・火・土」の四元素とした
- アナクサゴラスはアルケーを「種子(スペルマタ)」とした
- デモクリトスはアルケーを「原子(アトム)」とした
今回はソクラテス以前の哲学の解説でした。