こんにちはロウシです。
今回はマキャベリの「君主論」の紹介と解説です。
マキャベリズムの語源となったと言われている本です。
この「君主論」は徹底的な現実主義です。
だからこそ今でも使えるのです。
一体どういった君主が良い君主なのでしょうか。
今回は「君主論」に実際に登場する名言を抜粋しその面白さを味わっていただこうと思います。
今回の記事を読んででわかることはこういったことです。
- マキャベリズムとはどういったものか
- 「君主論」の内容
- 「君主論」の名言
この記事の要点が知りたい方は目次から まとめへ飛んでください。
「君主論」とは
「君主論」はニッコロ・マキャベリの著作です。
ニッコロ・マキャベリ(1469~1572)はイタリアの政治家です。
彼はマキャベリズムという政治思想の源流と言われています。
マキャベリズムとは「自国の繁栄のためなら非人道的、非道な事をしてもよい」という自国第一主義みたいなものです。
実際、「君主論」では冷酷な発言が多々見受けられます。
ですがそれが国家にとって必要な時もあると気づかせてくれます。
マキャベリズムも一理あると感じさせてくれるのが「君主論」です。
「君主論」は当時の指導者に向けて書いた本です。
「君主論」は当時すごく異端でした。
なぜならそれ以前の君主に求められていたのは慈愛や愛情だからです。
「君主論」は異色の思想だったためキリスト教から禁書を受けました。
では「君主論」ではどんな事が書かれているのでしょうか。
それは主に四つです。
- 国家について
- 軍事について
- 君主が持つべきな資質について
- 君主の運命について
今回は、3番と4番について解説していきます。
君主が持つべきもの
いまからマキャベリがいう君主が持つべきものについて解説します。
冷酷さ
「君主論」においてマキャベリは君主はある程度の冷酷さを持つべきだとしています。
これを象徴した一文が「君主論」にありますので抜粋します。
君主たる者は、自分の領民を結束させ、忠誠を誓わすためには、冷酷だななどの悪評をなんら気にかけるべきではない。なぜなら、あまりに憐れみぶかくて、混乱をまねき、やがては殺戮や略奪をほしいままにする君主にくらべれば、冷酷な君主のほうは、ごくたまの見せしめの残酷さを示すだけで、ずっと憐れみぶかい人物になるからだ。
マキアヴェリ 池田廉(訳)(2018)『君主論』中央公論新社(p.140)
私はこの部分はマキャベリの考えを象徴した部分だと考えています。
つまり冷酷な君主は一見恐ろしいが、冷酷なおかげですごく安定して国が治められるのです。
一見いい君主でも実はすごく悪かったりします。
その逆もしかりです。
つまり、一見いやな君主に見えてもじつはすごく良いこともあるということです。
ケチ
「君主論」においてケチもまた冷酷と同じように君主に求められています。
なぜなら、もし君主がケチじゃなくすごく豪遊したり民に金をばらまいたりする人物だったとしましょう。
すると必ずいずれ金がつき今度は民に重税を課します。
つまり一時的に金をばらまくのじゃなくてそもそも重税をかけないようにケチをするのが重要なのです。
一時的に民の機嫌を取るため金をばらまくような君主は君主失格なのです。
なぜならその後必ず重税を課し民を苦しめるからです。
民を苦しめないためにケチが必要なのです。
ケチは最初は民から馬鹿にされますが、いずれ倹約家だと民にも認められるでしょう。
恐れられている
「君主論」には恐れられていることも重要だと書かれています。
ほとんどの人は君主は愛される方がいいと答えるでしょう。
ですがマキャベリは恐れられることの方が重要だとします。
なぜなら人々の愛は移り変わりやすいからです。
ですが恐怖は残り続けます。
だから恐怖のほうが良いとマキャベリは説いたのです。
運命について
マキャベリは運命についてこう考えています。
運命の女神をぶっ飛ばせと考えています。
人は慎重であるより、果断なほうが良いとマキャベリは語ります。
運命に対しておびえるのじゃなくて、それを自分から吹き飛ばし切り開いていくのが人生においても重要なのかもしれません。
「君主論」を読んで学べる事
今から「君主論」を読んで学べる事を書いていきます。
ここに載っているのはわたしの主観だと忘れずに読んでください。
君主に必要な素質を知ることができる
まず最初に君主はどういった素質を持てば良いか知れます。
君主に必要な資質は先程解説しましたので詳しくはそちらを見てください。
もしこれからリーダーになるひとは一度は「君主論」を読んでおくことをおすすめします。
これを読んでいるかいないかで結構君主としての違いがでてくると思います。
ときには冷酷さも必要という事を知れる
次にときには冷酷さも必要だと知れます。
我々は普段冷酷なのは悪いことだと思って生きています。
しかし時と場合によっては冷酷さはかなり必要だと思います。
たとえば、戦においてすごく味方に損害がでているのに、死んだ味方のためといってもっと負けると分かっている戦いをする君主と
損害を少しでも減らすため味方を多少切り捨てる君主あなたはどちらが賢いと思いますか?
私は損害を少しでも減らすために味方を切り捨てる君主の方が賢いと思います。
なぜなら君主は組織全体を考えなければならないからです。
マキャベリズムの事を知れる
最後にマキャベリズムについて知ることができます。
マキャベリズムの現実主義的な見方が垣間見えるのが「君主論」です。
マキャベリズムについて興味があるかたはぜひ「君主論」を読んでみてください。
「君主論」の名言
今から少し「君主論」についての理解を深めるため、一つ出てくる名言を紹介したいと思います。
人間というものは、危害を加えられると信じた人から恩恵をうけると、恩恵を与えてくれた人に、より以上の恩義を感じるものだ。
マキアヴェリ 池田廉(訳)(2018)『君主論』中央公論新社(p.87)
これはすごくするどいと個人的に思います。
この原理は洗脳などでよく使われています。
「君主論」がおすすめの人
「君主論」がおすすめの人はこういった人です。
- 君主に必要な能力は何か知りたい人
- 愛や冷酷について知りたい人
- マキャベリについて知りたい人
- マキャベリズムに興味がある人
ここにあてはまる人は読んで損はしないでしょう。
「君主論」がおすすめではない人
「君主論」がおすすめではない人はこういった人です。
- 君主に興味がない人
- マキャベリに興味がない人
ここにあてはまる人はおそらく読んでも楽しめないでしょう。
まとめ
- マキャベリはイタリアの政治家
- 「君主論」では理想の君主などが語られている
- 君主に必要なのは、冷酷さ、ケチ、恐れられていること
- マキャベリはマキャベリズムの語源になった
今回は「君主論」についての記事でした。
ご興味があればぜひご一読ください。